桜・さくら
桜は日本人にとって特別な花。桜を愛で、祝い、春の訪れを喜ぶ。開花情報にそわそわし、お花見の準備にもいそしむという不思議な魅力のある花と思います。
「日本一の桜」と名高いのが奈良県吉野山の吉野桜。吉野山が桜の名所となったのは、今から約1300年前。役行者(えんのぎょうじゃ)が金峯山寺(きんぷせんじ)を開くとき、蔵王権現を桜の木に刻んだことから、ご神木として保護されてきた。吉野山に咲く約3万本の桜のほとんどがシロヤマザクラ。若葉と同じくして開花するので、凛とした気品が感じられるます。
その吉野山の満開の桜を一望できる露天風呂がある。湯元 宝の家の「阿の湯」だそうです。上千本・中千本を見渡せ、肌をくすぐる山あいの涼風も心地よいとのこと。一度行ってみたいと思いますが今年も時期を逃してしまったようです。
桜そのものを食すとしたら、季節感あふれる和菓子がいいですね。桜を使った菓子の代表格は「桜餅」。桜餅には関西風と関東風があり、西の「道明寺」東の「長命寺」と言われてきました。
日本ではじめて桜餅を作ったのが東京・向島の「山本や」。
餅米を蒸して桜色に染める「道明寺」とは対照的に、「長命寺」の餅は白色。桜の葉を三枚使ってくるむのが特徴。桜の葉をはがして食べるのが本式。中の餅を頂くとき、ほんのりと桜の葉の香りがします。
子供たちが育ち盛りのころは、餡をつくり、「道明寺」も「長命寺」もおやつに作っていたものです。たくさん出来上がりますからご近所やお友達にもおすそ分けをして桜の香りを楽しんでいました。
桜餅には桜茶を。
桜茶は桜の花の塩漬けをお茶にしたもので、湯の中でゆっくりと桜の花が開く様は、たおやかで美しいものですね。
毎日の忙しさに紛れ、風情を感じる心を忘れていたように思うこのごろです。
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